株式会社 山本工務店

志賀直哉旧居は、作家・志賀直哉氏が、昭和4年に自分で計画、設計した家です。
京都の数寄屋の大工さんに頼んで建てて、10年余り住んでいました。その後、財閥に売却され、戦後はアメリカ軍将校宿舎に、その後保養所となるなど変遷を繰り返し、そのたびに改築されました。 現在は奈良学園がセミナーハウスとして所有されていますが、奈良学園から、大切な文化財なので、志賀直哉氏が当初建てられた家屋に復元したいとの依頼を受け、ご子孫から写真を譲り受けて当時の図面を起こし、壁を探るなどして、解体修理しながら何とか復元が完了しました。

◇外壁

修復前
漆喰壁を土塀に復元しました(島のように見えるのは当時の壁地)

◇サンルーム にじり口

修復前
あげられていた鴨居を元に戻し、下地窓を復旧

◇子ども部屋

修復前
壁から窓の跡が出てきた。壁を落とすとはっきり窓の形が出てきた。
横の出入り口はなかったことがわかり、ふさがれた。

◇子ども寝室

修復前
子ども寝室への出入り口はふさがれた

◇和室

修復前
鴨居があげられていた (鴨居を下げた)

◇台所

[修復前]ペンキを塗られていたハッチ
志賀家寄贈写真を参考に、本当に使用できる冷蔵庫も復元 
柱等に残るホゾ穴などを参考に吹き抜けに復元

◇浴室

修復前
焚口、ひのきの五右衛門風呂に復元

◇玄関・塀・その他

[塀]ブロック塀だった北側塀を 土塀に復元 
[その他]上げ舞工事(シロアリ被害が大きかった床下をすべてやり直すために全体をジャッキであげる)